会長あいさつ

ALLF 会長就任にあたって

建築基礎・地盤技術高度化推進協議会(略称All-Foundations;以下、ALLF)は、建築基礎構造の合理的な設計、信頼性のある施工、新たな技術開発とその活性化、さらには当該分野における継続的な人材育成に資することを通じ、地盤の上に建つ建物の安全性・健全性を担保することと理解しています。

 2024年元旦に発生した令和6年能登半島地震では、建物、基礎、地盤に甚大な被害がありました。上部構造の振動による被害もありますが、液状化やそれに伴うと思われる杭の被害、傾斜、沈下、転倒が多くみられました。人命を守るという観点からは基礎の被害による傾斜、沈下というのはある程度許容できそうですが、継続使用、財産保全という観点からは問題であります。どの程度までこれらの被害を許容するかというのは社会的合意、高度な政策的判断が必要になります。当協会で出来ることは、どれくらい傾斜するのか、沈下するのか、液状化で建物がどうなるのかを定量的に評価できるように技術的検討を行い、技術的知見を蓄積することです。

基礎地盤の補強方法、液状化の対策の他、建替え時の既存基礎の扱いも必要です。上部構造と基礎・地盤の境界領域の情報や設計法の共有、理解を深める必要もあります。

 中井正一前会長に引き続き、上部構造の安全性の確保を目指し、建築基礎・地盤関連技術の体系化と技術資料の整備、情報提供、技術の高度化に資する研究開発支援、当該分野における技術者・研究者の人材育成および交流促進等を推進し、建築基礎・地盤関連技術の発展に貢献する所存です。

従前同様、皆様方のご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2024年(令和6年)5月吉日

一般社団法人 建築基礎・地盤技術高度化推進協議会

会長 勅使川原 正臣