会長あいさつ

 建築基礎・地盤技術高度化推進協議会(略称All-Foundations;以下、ALLF)は、建築基礎構造の合理的な設計、信頼性のある施工、新たな技術開発とその活性化、さらには当該分野における継続的な人材育成に資することを目的に設立されました。

 建築分野における基礎・地盤技術は、技術基準や方法論が必ずしも体系的に整備されていないことから、技術開発のニーズやシーズの取り込みが相対的に低下する傾向にあります。その結果、当該分野を専門とする研究者の減少を始めとして、実務を担う基礎・地盤関連技術者の不足、技術力の低下、異業種間のコミュニケーション不足などの構造的な問題が生じています。一方で、建築物の地盤関連災害や不適切な基礎施工管理、建替え時の既存基礎や撹乱地盤の扱いにおける曖昧さなど、多くの問題が発生しており、施工品質・管理技術の高度化や、新たな設計技術の体系化が希求されています。建築基礎構造は、地盤調査、構造設計、各種専門施工、総合建設業など多岐にわたる異業種間の共同作業によってなされます。これら専門家集団が、山積する諸問題に対応しつつ、新技術の開発や高度化に対応するには、関連する企業・団体のみならず、当該技術分野および周辺領域の有識者をも交えた組織が切望されますが、従来このような組織・団体は存在しませんでした。

 このような状況に鑑み、基礎・地盤の調査、設計、施工を担う関係企業およびこれらの技術分野に関連する学識経験者等、異業種の技術者・研究者からなる組織として、このたびALLFを設立する運びとなりました。ALLFは、建築基礎・地盤関連技術の高度化に資する研究開発支援、技術の体系化と技術資料の整備、情報提供、当該分野における技術者・研究者の人材育成および交流促進等を推進し、建築基礎・地盤関連技術の発展に貢献する所存です。

 今般、設立当初からの目標でありました、公的な調査研究事業への積極的な参加を図るにあたって必要となる体制を整えるため、2020年4月1日をもって任意団体から一般社団法人へと移行しました。従前同様、皆様方のご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2020年(令和2年)4月吉日

一般社団法人 建築基礎・地盤技術高度化推進協議会

会長 中井 正一